日刊工業新聞 2009年9月14日付記事
【川崎】菅原研究所(川崎市麻生区、菅原重信社長、044-989-7311)は、真円度10ナノメートル(ナノは10億分の1)の回転軸(写真)を持つスピンドル装置を開発、10月1日に発売する。真円度を求められる丸物の加工向け。油による動圧流体軸受で支え回転させるので、音が小さく振動が少ない。価格は50万円。研削・切削・測定機メーカーなどに年50台の販売を見込む。モーターと回転軸をカップリングして、回転軸は油による動圧流体軸受で支え回転する。先端のテーパー穴に治具を差し込みワークをつかみ、刃物を固定する仕組み。回転軸の基部は直径30ミリ×長さ125ミリメートルで全長が180ミリメートル。軸受は偏心4円弧軸受で、非接触油膜シール方式を採用。回転速度は毎分300-1800回転、同1000-7200回転の二つ。材質は砲金(銅系鋳物)を使用している。同社は測定精度の高いボールベアリングの性能評価装置を発売した。このため真円度1000ナノメートル以下の回転軸は外注していたが、同100ナノメートル以下のスピンドルが必要となり、内製化した。