被測定モータに取り付けたプーリに制動糸を巻き、その制動糸の張力を制御するとともに力検出しております。
負荷トルクは検出した張力より以下のように求めております。
固定ヘッド(左ヘッド)の張力検出値:F1[N]
移動ヘッド(右ヘッド)の張力検出値:F2[N]
プーリの直径:D1[mm]
制動糸の直径:D2[mm]
とすると、負荷トルクT[mN・m]は以下のようになります。
T=|F1-F2|・(D1+D2)/2[mN・m]
ステッピングモータは、AC/DCモータのように連続して回転しているのではなく、駆動パルスによってステップ状に断続的に回転しています。そのようにステップごと起動・停止を繰り返しているため、慣性モーメントの影響を極めて受けやすいモータであると言えます。その測定にあたっては、モータに負わせる負荷の慣性はできる限り小さくしなくてはなりません。慣性が大きいと大きな測定誤差が生じ、特に微小なトルクのモータでは、その誤差が致命的となります。当社のステッピングモータ測定装置の糸掛け式ブレーキにおいては、モータの軸に取り付ける慣性は極めて薄く加工したアルミ製のプーリのみですので、最大トルクが0.1mN・m以下の微小ステッピングモータでも、正確にプルイン・プルアウトトルクが測定できます。
回転中のモータに負荷を与えると同期回転中の検出トルクはリップルを含んだ波形となり、脱調すると検出トルクは大きく振動します。この検出トルク波形が大きく振動したことで脱調と判断しております。
駆動方式の違うモータ(2相励磁、1–2相励磁など)の測定については、各種ドライバが必要です。