本装置では、このトルク変換器の駆動軸側には軸受を設けておりますが、ワークとカップリングするトルク検出シャフト側には軸受を設けておりませんので軸受けのトルクは検出されません。これは0.01mN・m(ATM-2MN/5MNの場合)以下のトルクに対して充分な感度を持つ設計意図があるからです。
EPSモータのコギングトルク,トルクリップルを正確に評価するにあたり問題となるのが、モータが発生するトルクにおけるAC成分とDC成分の比率であると考えております。(図参照)
EPSモータはコギングトルク、トルクリップル(AC成分)が非常に微小なので、そのDC成分およびAC成分の量に適した定格トルクのATM測定部を選定する必要があります。測定時にはAC成分とDC成分の量を合わせた最大トルクが負荷されるため、ATM測定部には、高いトルク感度と低ノイズが要求されます。当社測定器では独自のトルクセンサ構造を採用することにより軸受を用いず高いトルク感度と低ノイズを実現しております。したがいまして基本周波数成分の高いEPSモータについても充分に期待に添える測定が可能であると考えております。
当社のATM測定器は、測定モータとトルクセンサ間に軸受を用いず高いトルク感度と低ノイズを実現しております。また、テストモータのセッティングもテストモータをセンサシャフトに直接吊るすので芯出しを精度良く、しかも短時間に行うことができます。
縦型のトルクメータは測定軸が垂直方向のため、分銅による校正ではそのおもりの垂直方向の力を水平方向に変換する必要があります。この変換機構をもったトルク校正器ATC3-**MNを用い、校正用のおもりを校正バーに吊るして校正を行うことができます。